第163章 成、ハイハイする
抱き上げ、乳首を出すとすぐ成は咥え、んくんくと飲み出す。
「よしよし、ごめんね」
成のぽわぽわした薄い灰色の髪をそっと撫でる。
泣いてからだが熱くなったせいか、髪の毛は汗でぺたんと貼りついている。
しばらく飲んでようやく満足したのか、成はそのままうつらうつらし出し、寝てしまった。
葉月は成をそっと抱いて立ち上がり、ベビーベッドに寝かせると、着替えを持って風呂場へ行く。
戻ってきても成はぐっすり眠っていた。
そのまま葉月もベッドにごろりと横になり、寝てしまう。
カーテンの隙間から月の光が柔らかく差し込んで、葉月はその光に誘われ夢を見る。
目を覚まし、しかし、何の夢を見ていたか葉月は覚えていなかった。
「うーん?何か夢を見ていたような…?」
ベビーベッドでは成が既に起きていて、葉月を見ていた。
「ほげほげぇ」
どうも早くここから出せ、と怒っている。
「もう起きたんだ、早いね、ごめんね。すぐ出たいよね」
葉月は成のおむつを取り替えてからベッドから下すと、成は部屋の中をずりずりと動き出す。
「あたま、ゴンしないようにね」