第163章 成、ハイハイする
「ただいま」
姉妹二人揃って帰宅すると、父親と母親、そして抱っこされた成が現れた。
「あれ?成、どうしたの?」
成は怒ってぎゃんぎゃん泣いている。
「ごはん、もっと食べたいって怒ってるの。勝手に量を増やす訳にもいかないでしょ。だからミルクあげたら、更に怒ってこんな状態なのよ」
すさまじい音量で泣く成に、弥生は驚き、「先に部屋に戻るね」とさっさと逃げる。
葉月が成を抱っこすると、成は少し大人しくなる。
「ほげぇぇ」
「遅くなってごめんね。ミルクじゃ嫌だったのかな?」
「ほげえええ」
「ああ、わかった、わかった。おとうさん、おかあさん、ありがとう。とりあえず成は部屋へ連れて行くよ」
「そうしてちょうだい」
泣き叫ぶ成の相手に疲れた両親は、すぐさま同意したので、葉月は成を自室へ連れて行き、急いで服を脱ぐ。
成はべったり葉月の足元にくっついて離れない。
「はい、おまたせ。ミルクじゃ嫌だったんだね」
葉月は壁に背中をつけて座ると、成がよじ登り、早く母乳をくれ、とほげほげ言う。
「ああ、ごめん、ごめん。はい、おいで」