第161章 富弥について、話す
富谷はちょっと笑い、葉月の事を驚いたものの否定せずに最後まで話しを聞いた。
全ての話しが終わり、店を出るが、支払いはまた富谷がしてくれた。
「富谷さん、ありがとうございます。訳わからない話しなのに最後まで聞いてくださって」
葉月は御馳走になった礼と共に、話しを聞いてくれた事にも感謝する。
「どういたしまして。こういう話しを聞いて、俺の夢にも何か変化があるかもしれないね」
そして、富谷は弥生に話し掛ける。
「弥生さん、例のワームホールの計算式、俺にも今度見せてくれる?」
「…富谷くんにはわからないと思うよ?」
首を傾げる弥生に富谷は言う。
「俺、以外と数学は得意だったんだ。それに、その天才くんの作った式を見てみたいのもあるんだ」
「じゃ、次に見せるね」
「頼むよ」
三人は車に乗り込み、弥生は富谷を家へ送り、そして姉妹で戻る。
「富谷さん、話しを聞いてくれたね。そんなの信じられない、で終わってしまうかと少しは思ったけれど」
ぽつりと車内で葉月が言うと、弥生も運転しながら口を開く。
「まぁ普通は信じられないよねぇ。でも目の前にこの時代のおとこではない子を持つ葉月と、戦国行って戻った舞さんと猿飛くんがいて、その戻るところを実際に私も見たからねぇ…信じたくなくても、信じるしかないかもね…」