第21章 織田信長
重い。
重くて受け取った両手が、そのまま畳に打ち付けられる。
「…どうした?」
「お、重い、です」
真剣か?こんなに重いとは知らなかった。
「そうか、重い、か」
「はい…」
すると今度は、くいと顎を捕まれ上を向かされる。
否が応でも真紅の力強い瞳が目に入る。
『ええー、なに?刀持たせられてるし、何されるの!?』
信長は片手で葉月の右の二の腕をがしっと触った。
「!?!?」
『なんで二の腕触るの??』
驚いて声を出せなくなり固まっていると、信長はふっ、と笑みを浮かべ、葉月から手を離し、持たせていた刀をするり、と取り上げた。
「このおんな、上杉の者でも軒猿でもないわ」
「その確証は何ですか?」
家康が間髪入れず、中段から問う。