第159章 重なった、時
舞に問われ、三成は答える。
「信長様が最近手に入れられた戦術書です。最新の情報が書いて有り、今後の戦にとても有益です」
手に持っていた本をぱらりと見せてくれるが、舞には全く意味がわからない。
「…うーん、ごめん、私にはよくわからないかな…?」
首を傾げる舞。
「そうでしたか、それは失礼しました」
二人で話していると、前から秀吉が来て三成に声を掛ける。
「お、三成、ここに居たか」
「秀吉様、何でしょう?」
「ちょっと今後の戦術で相談があるんだが…舞と話し中だったか?」
大切な話しだと気付き、舞は急いで頭を振る。
「ううん、秀吉さん、たいした事ないから、どうぞ。三成くん、ちゃんと前を見てね」
「はい、気を付けます、舞様」
頭を下げて、三成は秀吉と去る。
後ろから家康が笑いながら来ると、舞は家康に言う。
「ねぇ、家康、三成くんがぶつかりそうなら教えてあげたら?」
舞の言に、家康はしっかり反論する。
「どうして俺が教えなきゃならないの?本を読みながら歩く三成が悪いでしょ」