第158章 離乳食
「ほげっほげっ」
「成、早く動けないからって怒らないでくれる?そのうち早く動けるようになるからさ」
「ほげぇ」
今すぐ早く動きたい、と言わんばかりに成は怒り、そのうち転がったほうが早い、ところんころん転がる。
「あ、ちょっと、どこ行くの?危ないよ!」
廊下に出て転がり、ガードが無ければ階段下へ落ちるところだった。
「ほげっ」
ガードに阻まれて動けないと怒る成を抱き上げ、葉月は教える。
「成、ここはこれ以上行かれないの。ほら、見える?階段なのね、ここ。これで通れないようにしておかないと、成が下に転がって下手すると死んじゃうからね、ここは通れないの」
「ほげ」
階段を見せられ、成は大人しくなったので、葉月はその場で成をおろすと、今度は抱っこしろと主張する。
「ほげほげ」
「ん?抱っこするの?眠くなったかな?」
抱き上げると、成は小さくあくびをしたので、揺すりながら部屋へ戻ると、だんだんと成の顔が眠そうになり、やがてすやすやと寝てしまった。
「今のうちに、と」
成を抱っこしたまま葉月は下へ降り、成をそっと居間で寝かせると、離乳食の仕込みや食事の支度等、台所仕事を始めた。