第158章 離乳食
離乳食を口にし出した成は、出されたものは嫌がらず、全て口にしている。
「にんじん、はい、どうぞー」
どうぞ、と言われるとぱか、と口を開け、匙を受け入れる。
三成の苦手なにんじんも平然と口に入れる成に、葉月は内心驚く。
『予防接種は嫌いなのに、にんじんは平気なんだ。三成様のにんじん嫌いが注射嫌いになったって事…?』
「はい、おかゆだよ」
匙を運ぶと、口を開け、なんでも食べるので、両親が相好を崩す。
「成はなんでも口にして偉いなー」
「本当ね、好き嫌いが無いのは良い事だわぁ」
離乳食の10倍粥を初めて口にする時、やはりビデオ片手にその姿を撮るのを待ち構えていた両親は、今も何か始める都度、ビデオを構えて成を撮りまくる。
「ほげほげっ」
「あら、成ちゃん、どうしたの?もっと欲しいの?」
食べる分を食べ終え、しかし、成はもっと食べたいと怒る。
「駄目だよ、まだ一食分の量は決まっているんだから。好きなだけ食べられるようになるのは、もうちょっと大きくなってからね」
成を抱き上げ、母乳をあげるから、と自室へ連れて行く葉月へ、母親は言う。
「成ちゃんの食器は洗っておいて良い?」
「あ、お願いします」