第157章 返事
葉月はおむつを取り出し、取り換える。
「葉月もすっかり母親業が板についたね」
その様子を見て弥生は感心する。
「そりゃあね、産んで何か月も経てば、ね」
葉月は笑いながら成のおむつを交換しつつ、弥生に思い切って聞いてみる。
「…あのさ、おねえちゃん、やっぱりワームホール見付けるの、難しい?」
弥生は大きくため息をつくと言った。
「はっきり言って今は難しい。計算式はだいぶ解析したけれど、だからそれでワームホールが開く訳じゃないしね。猿飛くんが残してくれた式が元だから、やっぱりもう一度原点に戻ってみる事にするよ」
「そうか…大変なんだね…おねえちゃん、ありがとう」
「なによ、今更」
改めて礼を言う葉月に、弥生はまゆを寄せる。
「仕事もしているのに、帰ってからそっちもやってくれているんでしょう?他の事もろくにしないで遅くまで」
「んー、まぁ、嫌いな事ではないから何とかやってるよ」
肩をすくめる弥生に、おむつ交換を終えた成を弥生に抱っこしてもらう。
「成は三成様そっくりなんだよ。三成様は自分のミニサイズに驚くかな」
葉月の言葉に、弥生はにこにこしている成の、あかんぼうにしては整った顔を目の前に見て、そっくりという三成の容姿はかなりいいのかと再認識するのだった。