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イケメン戦国 「めぐり逢い」

第156章 成の成長


バカにはならないよ、と言わんばかりの返事に、葉月は呆れた表情をする。

「ほげほげ」

にっこり笑うと三成そっくりな顔になり、呆れつつも葉月は仕方ないか、といった体になり、それは両親も更に同様で、成のにこにこした顔を見ると、二人共顔がぐんにゃりと崩れるのを、何度も葉月は弥生と見てきた。

「成、あんたねぇ、にこにこしたらなんでも許されると思ったら大間違いだよ?」

「ほげ」

「う。その顔は駄目だよ、成。三成様そっくりだよぉ、怒れないよ」

葉月のほうが負けていたが、成にも嫌いなものは有った。

「あ、いけない、時間だ。成、今日は予防注射の日だから、もう出掛けなくちゃね」

「ほげぇ」

嫌そうな声を出す成は予防接種が嫌いで、生後二か月で受けた予防接種では、他の子以上にぎゃんぎゃん打たれて泣いたのだった。

その後も予防接種の度にぎゃんぎゃん泣き、とうとう医師や看護師、事務員にまで顔を覚えられ、来院すると『来た、来た』と言った表情で迎えられるようになってしまった。

「あのさ、成、痛いんだろうけれど、あんまりぎゃんぎゃん泣かないでくれるかな?」

「ほげっ」

葉月がベビーカーをセットして成を乗せながら言うと、成は『それは無理』と言わんばかりにほげほげ言ってくる。

「仕方ないか…」

大きくため息をつき、葉月は小児科へベビーカーを向けた。
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