第20章 着替える
「つ、疲れますよ!
竹様にぎゅうぎゅうに帯締められて苦しいのに、まだまだって締めるんですもの!」
苦しいやら、うめいていたのは、それか。
「葉月さんはあんまり細くて、しっかり締めないと帯が廻ってしまいますからね」
竹はしれしれと言う。
「でもきちんと着付けられましたからね。
信長様のところに出て申し分ないですよ」
いってらっしゃいませ、と竹に御殿から送り出された。
秀吉と二人で城へ向かう。
「信長様への挨拶の仕方は、向こうに行ってから教えてやる。
粗相のないように、くれぐれも気をつけろよ?」
「はあ…」
それにしても、怪しい葉月を調べるのに、なんでこんなにめかしこませてるのかなあ、と疑問に思う。