第151章 心を伝える
ぐいと着物の衿を片手で、信長は広げた。
「…俺のものにして良いのだな」
信長の赤い瞳の奥に、揺らりと熱の色が色付く。
「…はい、信長様のお好きに」
覚悟を決めた声音で舞は言う。
信長はその声色で舞が緊張と、ただの夜伽相手とわかっている事から、自分の愛が報われないと思いこんでいる様子に片頬をあげて、軽く笑みを浮かべる。
開いた肩口に唇を寄せて、信長は言った。
「おまえを全て俺に寄越せ。俺はけしてただの夜伽として貴様が欲しい訳ではない」
信長の言葉に、肩口へ頭を寄せる信長をちらりと舞は見る。
「…それは、一体…どういう…事…です、か…」
信長へ問いながら、肩口に寄せられる甘い口付けに、つい舞の吐息が漏れる。
「どういう事も無い。俺も貴様と同じ考えだという事だ」
その言葉に舞は目を見開いて、信長を見やる。
「…信長様…それは…」
「気が付かぬか、俺は貴様を愛しているのだ」
信長の言に、舞は益々目を見開く。
「え…わ、たし、も…です、信長様…愛して、ます…」
信長へ愛の言葉を舞は伝える。