第150章 佐助、三成に説明する
「佐助くんが計算式を再考してくれるって言うし、それがもし解析出来たら、どうやって未来へ知らせるか、それを私は考えてみるね」
「舞様…」
三成は舞の顔をその日、初めて見たように目を細め、見やった。
「申し訳ありません、舞様にまでこのようにご心配をお掛けしまして…」
「どうして?私も佐助くんも未来から来たんだよ?葉月さんと一緒だからね。だから葉月さんが戻ってきたいと望んでいるなら、戻れる方法を考えるのは当然でしょう?」
「はい、ありがとうございます」
三成は舞に礼を言うが、舞は反対に言う。
「御礼は葉月さんが戻ってからで良いから。今はそういうの聞かないよ」
「…かしこまりました、舞様」
城へ到着し、部屋の前まで三成は舞を送ると、ちょうど信長が部屋の前に来ていた。
「信長様、いかがいたしましたか?」
三成がすぐ信長に問うと、信長は二人の姿を見て、いぶかしげな表情を一瞬浮かべ、すぐその表情を消し、舞へ言った。
「舞、貴様に用が有って来たのだ。外出してきたのなら、一息ついてから俺のところへ来い」
それだけ言うと、信長はくるりと天守へ戻って行ってしまった。
「は…はい」
有無を言わせない言動に、舞は返事をするだけで精一杯だった。