第150章 佐助、三成に説明する
その言葉に舞も頷く。
「弥生さんが俺の渡した式から、新しくワームホールの計算式を作り出してくれるか、もしくは俺の式をそのまま使い続け、ワームホール自体が今迄通りの動きをしてくれるか…ほとんど博打のような状態になっています」
「…わかりました」
三成の表情がいつもの穏やかなものに戻るが、焦燥感はうっすらとにじみでていた。
「葉月さんは、戻れるかどうかわからない、戻れない可能性も有る、その時は私は二度と会えない覚悟をしなくてはならない、という事ですね」
「…そういう事です、三成さん」
佐助のはっきりした言に、三成は唇を噛み、しかしながら、あくまで穏やかな態度で理解をした事を佐助と舞に告げる。
佐助との話しを終え、三成と舞は安土城へ戻る道を歩いている。
「三成くん…」
ずっと黙ったままに三成に、舞は声をおずおずと掛ける。
「あ…ああ、申し訳ありませんでした、舞様。考え事をしておりました」
声を掛けられ、はっとする三成に、舞はううん、と首を左右に振る。
「会いたいよね、葉月さんに」
「…勿論です。きっともう、子も産まれているでしょうし…私の子をこの手で抱きたいです」
三成は片手をぎゅっと握り、その手を見つめる。