第149章 不安に思う
二人に声を掛けられ、葉月は成を連れて自室へ戻り、寝る前に母乳を含ませた。
「成、いいこだねー、上手だねー」
声を掛けつつ、葉月は先程、弥生が、ワームホールが計算式通りに開かない、と浮かない顔で言った事を反芻する。
『もし、ワームホールが開かなかったら、もし、ワームホールが違うところで開いて、それに気が付かなかったら、私と成はいつまでたっても戻れない…それどころかいつまで開くかわからないのだから、一生戻れなくなってしまう可能性もあるって事だよね…』
大きくためいきをついて、隣の弥生の部屋と接する壁を見つめる。
『おねえちゃん、お願いします。何とかワームホールが出る日と場所を特定してください。
おとうさんとおかあさんには悪いけれど、私はやっぱり成を連れて、三成様の許へ戻りたい…』
ふと下を見ると、成はおなかいっぱいになったようで乳首を口から離しており、葉月は急いでげっぷを出させ、布団におろす。
「ほげほげほげ」
まだ抱っこして、と言わんばかりに成は泣き、葉月は慌てて成を抱き上げる。
「はいはい、成、これで良いかな」
ゆらゆら揺らしているとあっという間に成は寝てしまい、再度布団にそっとおろした。
夜中にミルクが作れるように準備をし、葉月は寝支度を整え、布団にもぐりこんだ。
『三成様は今、何をしているかな…もしかして、他のおんなの人を相手にしていたら、すごい嫌なんだけど…でもおんなっ気ないの、困るよね…どうしよう、色っぽいおねえさんたちといちゃついてたら…戻ってから、出産したおんなは相手にしたくないなんて言われたら…うう…それはすごく困る…三成様、浮気しないでよぉぉぉぉ…』
不安でなかなか眠りに入れない葉月だった。