第149章 不安に思う
「おかあさーん、成のおむつ?」
声を掛けながら葉月は両親の部屋に入る。
入る前からほげほげ成の怒ったような泣き声が聞こえていたので、おなかが空いたのか、おむつ交換なのか、どちらかだろうと葉月は予測する。
「あ、ほら、成ちゃん、ママが来ましたよ。葉月、おむつ取り換えてあげて」
成を抱っこしていた母親が、泣いている成に声を掛けた。
「はい、成、おいで」
「ほげっ」
怒ったように成が葉月に向かって泣き、葉月は成を下におろし、おむつを外して交換した。
「はい、綺麗になったよ、成。気持ち悪かったんだね、待たせてごめんね」
綺麗にしてもらった成は満足げな表情になったように両親には見え、父親がばしばし写真を撮った。
「はい、まだ連れて行かなくて良い?」
「ああ、もうこんな時間か。明日もあって、俺達も休まないとならないから、今日はもう連れて行っていいぞ」
「わかった。成、おじいちゃんとおばあちゃんに、おやすみのばいばいしよう」
小さい握られた手を持って振り振りすると、両親は順に成の手を取り握手する。
「成、また明日な」
「成ちゃん、また明日ね」