第19章 軍議の後
信長がにやりとする。
「秀吉」
信長に呼ばれ、即座に秀吉がはっ、と答える。
「その娘、俺の前に連れてこい。
俺が直接見て、上杉の手のものならその場で切り捨ててくれるわ。
しかし。そうでなければ」
「そうで、なければ…?」
秀吉の繰り返す言葉に、信長はカラリと笑う。
「安土で暮らせるようにしてやれ。
それに、三成が気に入っていてその娘を欲しいなら、三成にくれてやっても構わん」
「御館様!」
秀吉が驚いて叫ぶ。
三成はどういう意味でしょうか、とぽかんとする。
政宗は、そうきたか、さすが信長様、と破顔する。
「たかが木刀振り回した娘の事で、いちいち大袈裟」
ふぅと家康はため息。
「なんだ、家康もその娘に興味あるのか?」
「会った事もない娘にどうやって興味を持つんですか」
光秀に突っ込まれて、ふいと不機嫌そうに横を向く家康だった。