• テキストサイズ

イケメン戦国 「めぐり逢い」

第140章 成(なる)


産院の葉月の部屋へ行く前に、弥生は新生児室を覗いた。

数人のあかちゃんがすやすやと眠っている。

「ちいさーい」

並ぶあかちゃんを見て、弥生はつぶやく。

その中で葉月の産んだ子は、ひときわ可愛らしい顔に見えるから不思議だ。

既に名前の書いている子も居て、葉月の子にも『成』と一文字書いてあった。

「もう、名前を付けてる…?」

弥生は更に口に出す。

石田三成の『成』なのだろうか?



「葉月」

ノックをして部屋に入ると、葉月に聞く。

「あかちゃんに、もう、名前付けたの?」

葉月はにっこりして言うが、その表情は今までと違い、穏やかな母の顔だった。

「遅くなるとおとうさんが勝手に決めそうでしょ。それに考えてたんだ、名前。
おとこだったら、三成様の『なり』を取って『なる』にしようって」

「ふーん、そうなんだ」

「可愛いでしょう?三成様にそっくりだよ。髪の毛の色もまだわからないし、目も開けたの見てないからわからないけれど、あの顔は三成様の顔なの。だからきっと三成様みたいに綺麗な顔立ちなんだろうなって思う」

にこにこしながら『なる』について葉月は話した。
/ 565ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp