第2章 いきなり対峙
「木刀も打ちどころが悪ければ、痛いですよ?」
仕方なく葉月は再度木刀を構えなおした。
『刀持ってて偉そうにしてるけど、この人、隙がありすぎる』
『大丈夫、木刀でも倒せる』
鍛錬を重ねてきた勘がそういっていた。
「木刀でも当たり所が悪ければ、死んじゃいますよ。
それでも良ければかかってきてはいかがですか?」
挑発すると、男は顔を怒りで赤くし、思った通りつっかかってきた。
「このおんな、動けないようにして、ヤリまくって遊女屋に売ってやる!」
『遊女屋っていつの時代の事を言ってるのやら…』
男のセリフに葉月は呆れ、少し肩をすくませた。
じり…と無言で男と白刃が近付く。
周囲の人々が息を飲む気配を感じる。
すると。
「何をしている!」
向き合う二人にだろうか、鋭い声が掛かった。