第136章 開かない?
「…言えてるね。私もこうして戻ってるんだもん」
結局は『人』なのだ、と二人で顔を見合わせて笑みを浮かばせるものの、佐助はすぐ真剣な顔に戻り、言う。
「とにかく観察は続けていく。三成さんに話しをしたいからあの件、頼むよ」
「うん、わかった。佐助くんも越後とこっちを行ったり来たりで大変だと思うけれど、お願いしますね」
そして、数日後。
舞は登城してきた三成に声を掛ける。
「三成くん、ちょっと良い?」
「なんでしょうか、舞様」
いつもながら穏やかな笑みを浮かべ、三成が舞へ近寄る。
「今日って空いている時、あるかな?」
「今日ですか?軍議が終われば空いておりますよ」
「それじゃあ一緒に行って欲しいところがあるの」
舞の依頼に快諾する三成は言う。
「では軍議が終わりましたら、舞様をお迎えにあがりますね」
「うん、お願いします」
そして軍議終了後、二人は、舞が佐助と約束した場所へ向かった。