第136章 開かない?
「俺が説明するから、三成さんを一度外へ連れてきてもらえないかな」
「うん、わかった。いつにしよう?」
二人でその日を決め、もし軍議などで三成が外へ出られない時は、舞がのろしを上げる事で連絡手段を決める。
「ねぇ、佐助くん。もう全くワームホールは開かない可能性はあるの?」
佐助は間を置いて答える。
「正直こうなるとわからない。俺が計算してきたのが、俺達が戻ってきてからことごとく外れてしまっているから。たぶんあっちで弥生さんも焦っていると思う」
「弥生さん、大丈夫かなぁ」
「俺の残した式を見て、見た事が無いと言っていたから、今頃困っていると思う。
あっちで弥生さんが自分で式を組み立て、新たに計算式を立ててくれていると良いのだけど…難しいかもしれないな」
「…そんな難しい計算式なんだ…」
舞は呆然とする。
「悪いけれど、俺にしかわからないと思う。俺が一人で理論を構築させて組み立ててきた物理式だからね」
「佐助くん、どうして戦国時代に来たの?現代にいたら、きっとその頭の良さで、最終的にノーベル賞が取れるような感じがするんだけど」
舞の言葉に、佐助はふ、とからかうような笑みを浮かべる。
「ノーベル賞もいいけれど、一度戦国に来て、個性の強い武将達と接したら、どっちが良いか、舞さんもわかるよね?」