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イケメン戦国 「めぐり逢い」

第134章 佐助、春日山に戻る


安土を後にし、越後へ戻る佐助に、案の定、謙信は相当機嫌を悪くして待っていた。

「おまえ、俺をどれだけ待たせるのだ!?」

「申し訳ありません。故郷で病人が出まして、なかなか治らず手間取りました」

しれしれと佐助は頭を下げる。

「おまえの故郷はどこだ?俺も行こうとしたが、信玄や幸村が煩くて、おまえを連れ戻しに行かれなかったのだ」

「いえ、俺の故郷はとても遠く、馬だけで行かれるようなところではないので、謙信様でも来るのは無理です」

「…異国なのか?」

眉をよせて謙信は問う。

「まぁ、そんなところです」

どうにも説明出来ないので、佐助は『異国』で誤魔化す。

「…それでは仕方ないか。では、今から鍛錬を始めるぞ」

謙信は腰に差している刀を抜く。

つまり、今すぐ室内での斬り合いをしたいのか。

佐助はクナイを片手に持ち、仕方ない、と謙信に付き合う事にする。

その場で素早く謙信が打ち込んでくるのを、佐助はクナイで受け流し、すぐ体勢を整える。

「謙信様、攻撃が早すぎます。体勢を整えてからお願いします」

「誰が何を言おうが、ここは俺の城だから、城内で刀を抜こうが何をしようが、俺のやりたいようにやるだけだ」

謙信の言葉に佐助はやれやれと肩をすくめた。
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