第133章 姉妹の心配
「戻ってきて良かったのか悪かったのか…三成様にも会いたいけれど、最終的におとうさんとおかあさんから孫を奪うわけだし…わかんないなぁ。でも逆子が直って、それは良かったけれど」
「そうだね、一度帝王切開やっちゃうと、基本的に次も帝王切開って言うからね」
弥生の言に葉月は頷く。
「うん。そうしたら、もう、戦国でこども産めないって事になるよね。
また産むためにこっちに戻らないとならないけれど、早々戻れないでしょ」
「それだけど…実は、ワームホールの位置がなかなか特定出来ないんだよねぇ…」
弥生がパソコンの画面を見て、ぽつりと言う。
「どういう事?」
葉月が聞く。
「猿飛くんが残した式に、最近の天気を入力して更新させていくと、ワームホールが出来そうな日がわかってくるんだけどさ、全くその兆候が無いんだよねぇ」
「ワームホール、無くなっちゃったの!?」
「いや、そういう事は言ってないけれど、今後、発生する回数は多くないかもね」
「そうしたら予防接種受けてる場合じゃないから、次ので帰るよ」
「うーん、とにかく待って。ワームホール自体が全く出来る様子が無いから、今は何とも言えないよ」
「おねえちゃん、戦国に戻れなかったらどうしよう」
途端におろおろする葉月に、弥生はピシリと言う。
「落ち着きなさい。完全に帰れないと決まった訳ではないのだから」
「う、うん…」
慌てふためく葉月の姿に、本当に母となってやっていけるのかと心配する弥生だった。