第127章 戦国へ戻るふたり
「戦国で生きて行く為に手に職を付ける必要が有り、謙信様に鍛えられました」
「上杉謙信に?へぇ、戦国時代で生きていくのってやっぱり大変なんだね。
どう見たって猿飛くんってインドア系なのに、忍者に就職しているんだから」
「でも、戦国ライフも慣れると楽しいですよ」
さらりと佐助は件のセリフを口にした。
「慣れるまでが大変そうだけどねぇ」
弥生は肩をすくめて言った。
四人で話しているうちにだんだんと空が暗くなってきて、ぽつりと雨が降ってきた。
「あ、来た」
「ワームホールが開きます。弥生さんと葉月さんは離れてください」
「え、そうなの?」
佐助と舞に言われ、弥生は葉月に手を引かれ、離れた場所へ移る。
「三成様にスマホ、お願いしますね」
葉月は録画したスマホを持つ舞に頼む。
「うん、必ず見せるよ。葉月さん、待ってるからね」
「猿飛くん、気を付けて戦国時代で生きていくんだよ」
「ありがとうございます」
姉妹がワームホールの開く位置から離れると、その場所だけ大雨が降りしきり、そのうち不思議な雲がかかり、雨と雲が晴れた時、佐助と舞の立っていた場所には誰も居なくなっていた。