第17章 朝餉
「ああ、本当だ。出汁が効いてて美味いな」
「秀吉のところは、台所番が変わったのか?」
「いや。変わっていないはずだが」
「この汁物も塩っ気が少ない。でも出汁が効いてる。
作り手が変わったから、こんなに味のつけかたも違うのではないか?」
「そんなものか?」
「そんなものだ。秀吉、この朝餉の作り手に会わせてくれ」
「なぜ?」
「興味がある、からだ。
どうしてこういう味のつけかたをする理由を知りたい」
「そんなこと聞いてどうする?」
「戦に役立てられるかもしれないからな。
知らないことは学んでおく」
「さすが政宗様、ご立派です」
黙ってもくもく食べていた三成が、ようやく声を出した。
「あー三成…ありがとな…」
政宗がははっ、と苦笑した。