第124章 3対1の密談
「はぁ、やはり探されましたか。だから今回、家に戻れなかったんです」
佐助はぽり、と後頭部を掻いて、想像した通りだったとつぶやく。
「どういう事?」
弥生の訝し気な表情に、葉月が言う。
「見つかったらもう戦国に戻れなくなっちゃうでしょう?だから舞さんのマンションで、次のワームホールが開くのを待たなきゃいけないんだ。
おねえちゃん、使ってないパソコン、佐助さんに貸してくれないかな?
ワームホールの計算をするのに、パソコンがあると便利なんだって」
「ああ、そうか、あ、猿飛くん、そのワームホールの計算、私に教えてくれる?
私も出来るなら計算してみるよ」
「ありがとうございます。同じ研究室にいたかたですし、出来ると思いますよ」
佐助も久し振りのパソコン操作に、嬉しそうに笑みを浮かべる。
「じゃあ、なるべく早く持って行くよ」
弥生はパソコンを貸す約束を佐助とし、そのうち注文したものがテーブルに並びだし四人で食べ始める。
「久し振りだから味覚変わっちゃってるんじゃない?」
弥生に言われ、注文したものを口に入れた佐助と葉月が頷く。
「私もお姉ちゃんが買ってくれたミルクティー、大好きだったのに、甘すぎて飲めなくなっちゃったんだ」
「思った以上に、現代の食事は味が濃いですね…」
佐助もぽつりと言った。