第122章 佐助、現代に戻る
「でも舞さんは、今は仕事だって…」
「うん、でもね、佐助さんが来たら、不在でも入ってもらって良いって言われてるんだ。
一人で現代に戻ってきて、とりあえず休むところがないと、佐助さんがつらいだろうって」
こっちだよ、と案内し、葉月は佐助を、舞が借りているマンスリーマンションへ行き、鍵を開けて佐助を通す。
「これ、タオル。お風呂あっちだからシャワーどうぞ。
あとこっちは、私が適当に用意しておいた佐助さんの服。
サイズ合ってなかったらごめんなさい」
冷蔵庫のペットボトルのお茶も飲んでください、と言い残し、葉月は検診へ急いで行った。
佐助は女性の部屋に一人で入り込んで良いのか、と戸惑うものの、他の行き場も無く、助かったと久し振りのシャワーを浴び、葉月の用意していたジャージに着替えた。
「現代はやっぱり便利だな…」
お茶を一本、誰に言うともなくもらい、いただきます、と言って飲んだ。
舞と葉月を待っている間、佐助はそのまま座っていたソファに横になって、久方の何も気にせず邪魔もされない、ゆっくり出来る睡眠に入っていった。
「佐助くん」
声を掛けられ、佐助ははっとして目覚める。
仕事から帰って来た舞と、検診から戻ってきた葉月の二人が、目の前に居た。
「久し振り」
三人は無事、再会出来た事を喜んだ。