第121章 佐助が行く
「居なかったらどうするの?」
家康が問う。
「現代では人探しはなかなか困難で…何とか周囲に協力を依頼して探します。
葉月さんは自宅からそんなに離れていないそうなので、葉月さんは見付けられるかもしれません」
「舞は?」
「舞さんは旅行で京都…京へ行った時に、俺と巻き込まれてしまった人です。
もともとは東京、ではなく、江戸出身と聞いてますので、もしそちらに戻ってしまっていたら、探すのは相当大変ですね」
「江戸?あんな土地で人探しが大変なの?」
家康がいぶかしげに聞き、佐助は答える。
「500年後では江戸の治水対策も完璧となり、江戸が日の本の中心地となっています。
だから住んでいる人も大勢で、早々人が探せるような場所ではありません」
「へぇ、江戸が日の本の中心、ねぇ」
政宗が感心したように言った。
「三成、文はこれからか?」
秀吉が三成にふと、聞くと、三成は懐から紙を取り出した。
「いえ、もう書いてます。佐助殿、これを葉月さんに。
くずし字がほとんど読めないので、なるべくわかりやすいようにしました」
「わかりました。お預かりします。他に舞さんに何か言伝はありますか?」
「早く戻って参れ、とだけ伝えるが良い」