第121章 佐助が行く
しばらくして佐助が安土城の天井裏へやって来た。
武将達が広間に集まっている最中、上からコツンと音がする。
信長がにやりとし、声を掛けた。
「佐助か、下りて参れ」
カタンと天井板が一枚外れ、すとんと佐助が上から降りてきた。
「失礼致します。ワームホールが開く頃が近付いてきたので、知らせに来ました」
「わーむほーる!」
すぐ反応したのは三成だった。
「…三成さん…」
佐助は、そう言えば前回ここに来た時は家康と三成が居なかったっけ、と思い出す。
「佐助殿、葉月さんに文を持って行ってもらえませんか?
信長様に、文を持って行ってもらっても良いと許可はいただいております。
本当なら私も一緒にわーむほーるに飛び込みたいのですが…佐助殿達が戻られるのをお待ちしております」
「勿論、会えたら渡します」
「それでいつ飛び込むのだ?」
「はい、二日後の卯の刻に、ワームホールが開く予定です。
場所は…皆さんを巻き込んだらいけないので、教えられません」
「とにかく、舞と葉月に会えると良いのだが…確実に会えるのか?」
「それは行ってみないと…なぜなら飛んだその場所に、今も二人が居るかわかりませんので…」