第120章 事実を知る
「私もそのわーむほーるとやらに飛び込んで、葉月さんの許へ行ってきます!」
「それは許さん」
言葉を発したのは信長だった。
「どうなるかはっきり、佐助ですらわからないと言っておる。
そんな状態で三成を未来へ行かせる訳にはゆかぬ。
第一、未来の生活は今と全く違うと佐助は申しておった。
その生活様式がわからぬ俺達が行くものではない」
きっぱり信長に言われ、三成は唇を噛んで引き下がる。
「三成、落ち着け。佐助にとにかく任せるんだ
あいつも頭は良いから、きっと、二人を連れて戻って来てくれる」
秀吉が三成の両肩をぽんと叩く。
「わーむほーるが開く前に、佐助殿はこちらにいらっしゃる事はあるのでしょうか」
「何かわかったら来ると言っていたから、飛び込む日がわかったら教えに来るとは思うが」
光秀が言うと、三成は落ち着きを取り戻したように言う。
「わかりました。では佐助殿が未来へ戻られる時に、葉月さんに文を託す事は可能でしょうか。
せめて文だけでも持って行って欲しいと思います」
「わかった、佐助に頼め。たぶんそれくらいなら大丈夫だろう」
信長が文を遣わせる事に許可を出した。
「ありがとうございます」
三成はもう瞳を動揺で揺らす事は無かった。