第120章 事実を知る
「一体、どういう事?」
家康は秀吉から言われた事を、信じられないと言った表情で聞いていた。
家康と三成は無事安土へ戻ってきて、すぐ信長に呼ばれていた。
二人が呼ばれた天守には、信長の他、秀吉に光秀、政宗も集まっており、そこで二人は舞と葉月が居ない事を聞かされた。
「二人が500年先の時代から来た娘達で、引き戻されてしまったって事?」
「信じがたい話しだが、事実だ」
政宗も腕を組んだまま同意する。
「そんな…葉月さん…帰らないと私に約束されたんですよ…」
三成は動揺して、紫の瞳を揺らした。
「本人が望んで戻ったんじゃないんだ。それに戻ってくる方法は、確実では無いがある」
「なんですか!?」
間髪入れず三成は問う。
その激しさに秀吉は驚くが、落ち着かせるようにわざとゆっくり話した。
「上杉謙信の腹心、猿飛佐助、やつは舞と同じ時にこの時代に来たおとこなんだ。
佐助は時代を超えるわーむほーるとやらの研究をしていて、次にそれが開く日時を計算し、それに飛び込んで二人を連れ戻しに行ってくれると言うんだ」
「猿飛佐助?あの無表情の忍びも舞と一緒にここに来たって?
それにしてもどれだけの人が、500年後からここに飛び込んで来ているんだ」
家康はぼそりと面倒くさそうに言うが、三成は秀吉に詰め寄る。