第117章 姉、弥生
「…は?」
弥生は目を何度もしばたたかせて、妹の顔を見る。
「本当だよ。織田信長も豊臣秀吉も、見た人が倒れそうなくらいのイケメンなんだから」
葉月は呆然とする姉の弥生に、しゃべりまくる。
「えーと、ちょっと、待って…葉月、あんた、500年程前の時代に行っちゃったって事?
そこで織田信長とか豊臣秀吉に会ったって事?」
「うん、織田信長は本能寺で死んでなかったよ。すごいオレ様イケメンだよ。
それから豊臣秀吉はね、めちゃめちゃ人に親切で、町の人達から人気がすごい有る人なんだよ。
あと明智光秀もミステリアス系のイケメンでね、何を考えてるかわからない、でも腹黒とは違う底を見せないイケメンなの」
「ちょっと待って。あのさ、明智光秀って本能寺の頃には既に、おじいさんに近い年齢じゃあなかった?」
まゆをひそめる弥生に、葉月はイケメン、イケメンとまくしたてる。
「それがね、違うの。皆、若くてイケメンなの。びっくりしちゃった」
「…みんな?」
「あとね、伊達政宗。この人も男らしくてかっこよかったよ。
そして徳川家康。かっこいいって言うより綺麗な人。
後は石田三成。色っぽくて優しくてすごく素敵なんだから」
「…あんた、頭、打ってる?」
弥生は葉月の話しについていかれない。
「打ってないよ、正常だよ。それに私のおなかの子は、石田三成の子だもん」
「…は!?」