第113章 どこへ行った?
春と富弥は顔を見合わせた。
「舞様と葉月が居ないってどういう事だ!?」
富弥が叫ぶ。
春は葉月の正体を知っている分、どうなったか、もしかしたら、と思い当たる。
「富弥、すぐ秀吉様の御殿へ行って、竹ちゃんを呼んできておくれ!」
「秀吉様の御殿へ、ですか?竹殿を、ですか?」
訝し気に問う富弥に春は再度申し付ける。
「良いから早く!
竹ちゃんに二人が店から消えた事を話して、すぐ店に来てもらってちょうだい!」
「へぇ、では行ってきます!」
富弥は秀吉御殿へ駆け出した。
そしてしばらくして事情を説明して、富弥と竹、それに秀吉も店へ来た。
「春ちゃん、いったい、どういう、事…!」
「まぁ、秀吉様も!とにかく店の中へ…!」
四人は店の中へ入り、春は店を締め切ると、自分の知っている事を話し出した。
「葉月はこの時代の者ではなく、遠い先の時代から来た者なのです」
すると秀吉と春は頷いた。
「ああ、それは知っている。本人から聞いてるよ」