第110章 衝撃
「…それも言うんですか?」
赤くなりながら葉月は聞く。
「うん、それ重要。教えて?」
舞はにっこりして問う。
「…一回でないのは確かですけど…これ以上は秘密ですよ…」
照れながら答える葉月に、舞は質問を止めた。
「ごめんね、言いづらい事聞いて。でも教えてくれてありがとう。
そうか、やっぱり一回じゃ済まないんだねぇ」
うんうん、と一人ごちる舞だった。
「…雨、降りそうだな」
ふと、富弥の声に二人は顔をあげて、空を見る。
晴れていたはずの空は、何故か急激に黒い雲を広げつつあった。
「今日の空模様じゃ、雨なんて降る感じじゃあ、なかったけれどな」
富弥が呑気に言って、外に居る舞と葉月に店の中に入るよう言い、富弥はてきぱきと外に出している物を片付け出した。
「あの、雲…」
瞬間、舞は青ざめた。
「どうしたの?舞さん?」
舞の様子にただならぬ事を感じ、葉月はきょとんとしながら問う。