第105章 つわりの後は
何日も過ぎ。
三成を振り回した葉月のつわりは、大騒ぎしつつもようやく落ち着きを取り戻していた。
食べられるものが限定されていた上、量も少なかったため、葉月はかなり痩せてしまったが、少しずつ食べられるようになり、三成を安心させた。
「もう大丈夫ですよ、一番苦しい時期を過ぎましたからね」
竹は大丈夫でしょう、ほらね、と言わんばかりの態度で三成に言い渡した。
「そうですか…良かった…」
「ものすごく心配掛けちゃいましたね、三成様、ごめんなさい、もう大丈夫です」
葉月もくず湯を口にしながら、三成にもう大丈夫と言った。
匂いが嫌、といって見るのも嫌がっていた粥にも手を伸ばして口にする葉月を見て、三成はようやく安心する。
「本当に、大丈夫なのですね。
粥は匂いが嫌と言って、見るのも受けつけなかったのですが」
「しようがないのです、だって、本当に、匂いで気持ち悪くなってたのですから」
そう言いながらもくもくと粥を口に運ぶ葉月。
「早く体力回復させて、動くようにしないとならないです」
粥を口にしながら三成を見て言う葉月に、三成は驚く。
「動くって、寝ていないと駄目なのでは…?」
「妊娠は病気じゃないですよ。
つわりが収まったら、今迄と同じように動いていかないと」