第103章 変化を告げる
「え…今、何て?葉月さん」
三成は御殿へ来て、葉月からの挨拶もそこそこに、言われた事を聞き返した。
「あのう…だから、子が出来たようです…」
「私の子、ですよ、ね…?」
三成のあまりな言い方に、葉月はつい声を荒げてしまう。
「とっ、当然ですっ、他に誰のお子だと言うんですかっ!」
「いえ、そういうつもりで言ったのではなく…そうですか、私の子…」
三成は感極まったように、葉月をそっと抱く。
「ありがとうございます…勿論産んでくれますよね?」
「当然です…そうじゃなかったらどうするんですか…」
葉月も三成の背中に腕を回す。
「あ」
三成は思い出したように声を出して、葉月の顔を見た。
「そうなると…しばらく愛する事が出来なくなります、か…?」
「え…えーと?」
「未来ではこういう時、どうするのですか?」
現代で妻が妊娠した時の性生活の事を聞かれても、葉月は独身だから知らない。
必死に早くに結婚した友人の言を思い出す。