第102章 変化に気付く
秀吉は竹をねぎらう。
「もったいないお言葉ありがとうございます。
それよりもっと良いお知らせがございます」
竹が言うと、秀吉が目を見開く。
「どうした?」
「葉月さんにややが出来たようですよ」
竹の少し後ろに座る葉月が顔を赤くしながら、少し頭を下げた。
少しタレた目が大きく見開かれ、秀吉は驚き、それからすぐその顔は笑顔に替わった。
「そうか…!からだを労って良い子を産めよ」
ありがとうございます、と再度頭を葉月は下げた。
「三成にはもう伝えたのか?」
「いえ、まだ…こちらにいらっしゃったら言います」
「そうか…そうしたら婚儀を早くしないとならないな」
「さようでございますね、秀吉様」
竹も口添えする。
「とにかく白無垢を準備だな。幸菱で良いのか?」
秀吉と竹は婚儀の話しを始めた。
『養女にもまだなっていないのに、もう婚儀の話しになってしまった…』
葉月はそう思い、やがて、自分のからだの変化にもついていけなくなる。