第102章 変化に気付く
「え…?」
突然聞かれた質問に葉月は立ち止まる。
「…そう、言えば…?」
しばらくそのまま立ち止まり、自分のからだを思い返す。
「そういえば…ここのところ、来てない、です…えーと、もしか、して…?」
驚いて葉月は自分の腹を見つめた。
「ややが出来たのでしょう?味覚がおかしくなってるのはそのせいですよ」
「やや…あか、ちゃん…が…」
葉月は腹にそっと自分の手をあてる。
「そう、なんだ…全然実感、ありません…」
「最初はそんなものですよ。とにかく早く戻りましょう。
秀吉様も三成様もお喜びになりますよ」
「は…はぁ…」
二人は御殿へ戻り、秀吉へまず報せに行く。
「どうした?反物は選べたか?」
「はい、ご配慮ありがとうございます。たくさん竹様に選んでいただきました」
まずは反物の礼を秀吉に伝える。
「そうか、良かった。竹には足労かけたな」