第95章 三人の現代人
「安土は関所がないから、何も持ってなくても普通に入れるんだ。
だから、はっきり言って、謙信様も城下をうろうろしている事もあるよ」
「ええええ」
敵の武将である上杉謙信も安土城下を平気で歩いていると聞いて、葉月は更に驚く。
一体、どれだけ安土は敵が入り込みやすいのか。
葉月は新たな事実を知って、驚くだけだった。
「ね、聞いて良い?」
急に舞が話題を変え、興味津々な表情で顔を近づけてくる。
「三成くんってあっちのほうはやっぱりすごいの?」
「あっち…?…え…」
意味がわかって葉月の顔が真っ赤になる。
「舞さん、何て事聞いてくるんですか…!」
佐助も舞の質問に呆然とする。
「ほら、武将のかたがたって何となく精力絶倫って感じでしょ?実際どうなのかなって」
「…舞さん、きみ、そういう人だったのか…」
佐助も舞の質問といたずらっぽい表情に更に唖然とする。
「ねぇねぇ、どうなの?教えて!教えて!」
「そ、それは言えませんっ!」
舞からの質問に、必死に逃げる葉月だった。