第95章 三人の現代人
「いえ…ただ、アイドルな武将様がいるんだな、と思っていただけです。三成様の名前は聞いていたけれど、名前とご本人が一致しなくて、知った時は驚きました」
「そんな驚く?」
佐助が聞いてきたので、葉月は頷く。
「そりゃ驚きますよ。だって関ケ原で徳川家康と戦って負けて、最期はさらし首でしょう?
そんな強面っぽいイメージの人が、実はあんなアイドル顔だとは思いませんよ」
「でも、そのアイドルと恋をしてるんだよね?」
舞の突っ込みにしどろもどろになる葉月。
「うが…えーと、そうなるんですが…」
三人で笑い、現代から来たからこそ通じる会話に、思い切り盛り上がる。
「そういえば佐助さん、上杉謙信の名前を出してきましたけれど、佐助さんこそ何か関連あるんですか?」
先程名乗った時の疑問を、ひと段落ついたところで伝えた。
「うん、俺は上杉謙信様の許で働いているんだ」
さらりと佐助は安土において不穏気な事を答えた。
「上杉謙信様の許で…ふーん…え?上杉謙信様の下で働いている…!?」
葉月は驚く。
「えーと、敵ですよね?あのー大丈夫なんですか、安土にいても?」
驚きながら質問すると、佐助はノープロブレムと笑みを浮かべて言った。