第88章 厳しい稽古

「いえ、それは駄目です。お作法はきちんと知っておかないと、三成様に恥をかかせる訳にはいきません…！」

「しかし、そんなに疲れては…」

「まだ最初だからです。そのうち慣れます、大丈夫です！」

「…しかし…」

「大丈夫です、すぐ慣れます。それよりも、あのう…」

途端に俯き加減になり、赤くなる葉月に三成はどうしたのか、と下を向いた葉月へ顔を近づける。

「…」

何やらぼそぼそと話した葉月だが、よく聞き取れなかった。

「…？何と言いましたか？」

「あ、あの…」

「何ですか？」

「…や、やっぱり、良い、です…」

何やら言いたい事があったようだが、言わずにやっぱり良いとは何を望んでいたのやら。

三成は葉月の顎をすくうと、赤い顔をした葉月へ軽く口付けをした。

「がんばりましたね」

そういうと葉月は赤くなったまま、はい、と答え、そして満面の笑みを浮かべた。

「…口付け、して欲しかったんです…」

笑みを浮かべたまま葉月は言う。

三成はおやおやという表情をし、葉月の両頬を自分の手で挟み、また口付けした。

「…何度だってしましょうか？」

葉月の腕が三成の首に回されて、二人は更に深い口付けをする。