第85章 お仕置き?
「え?え?え?」
「決めました。今日も私の御殿へ来てください。お仕置きします」
「は?お仕置き?な、なんでですか…!」
「やたら富弥と仲良くしたからです」
「え、だって、だって…」
否定する葉月を無視し、三成は強引に葉月を自分の御殿へ連れて行った。
今日は来ないと言ったはずの葉月が来たので、家臣達はまた喜んで迎えてくれた。
盛大な歓待に、反対に恐縮する葉月だったが、三成の言う『お仕置き』とやらは一体何、なの…?
夕餉を終え、また三成は仕事を片付けると別室へ行き、その間に湯殿を使わせてもらう。
部屋に戻ると前日と同じように布団が一組敷いてあった。
『お仕置きとか言ってたけど、何されるの…?
何かすごい嫌な予感なんだけど…』
夜着のまま、部屋をうろうろし、どうしようもないので、積み上がっている本を一冊手に取り、ぱらりとめくって読んでみようとするが、やっぱり読めなかった。
首を傾げていると、襖が開き、三成が戻ってき、本を片手に立ち尽くす葉月を見て声を掛ける。
「どうしましたか?」