• テキストサイズ

イケメン戦国 「めぐり逢い」

第83章 餡作り


ぱしんと腰のあたりを軽く叩かれる。

以前、葉月が春に言われていた事を、葉月が富弥に言う。

「ちくしょー、いてぇな」

餡を混ぜながら富弥はぐだぐだ言う。

「つべこべ言わないでしっかり混ぜてください!
ああああ、そんないい加減な混ぜ方しないでください!」

葉月は怒って注意するが、富弥は文句を言いながらも丁寧に餡を混ぜた。

「そうそう、そうです!」

混ぜ方を変えた富弥に、葉月は今度は褒める。

「餡ひとつ作るのも大変なんだな」

混ぜながら富弥は言う。

「そうなんです、私も当初は春さんに、もっと丁寧にって注意されまくってました」

「なんだ葉月もか?」

手は動かし、顔だけ葉月に向けて、富弥は聞く。

「そうですよ、最初から全部完璧な人はいません」

当然だ、と言わんばかりの表情で葉月は答える。

「そうか、それなら良かった。俺だけこんなに注意されてるかと思ったよ」

混ぜながら肩をすくめる富弥に、反対に葉月が聞く。

「え、私、そんなに注意してますか?」

「ああ、してる、してる。鬼みたいだ」

鬼、と言われ葉月はむくれた。

「あ、ひどーい、鬼だって!」

「ははは、ほら、餡こんなんでどうだ?」

急いで話題を変えた富弥に、それ以上文句は言えず、餡について話し始めた。

「あ、良い感じです、あとちょっとですね」

餡を作りながら、すっかり打ち解けた二人に、春はふむと感心しながら見ていた。
/ 565ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp