第77章 御殿到着
迎えの若い家臣が頭をあげ、葉月の姿を見て目を見開いた。
「葉月さんです、秀吉様の養女になられた後、私の許へ輿入れされるかたです」
突然の三成の言葉に家臣が驚いた表情をし、口をぱくぱくしていた。
「あの葉月です、よろしくお願いします…」
ぱくぱくしたままの家臣に挨拶する葉月。
ようように家臣のおとこは話した。
「こちらの、かたが、三成様に…輿入れなさるかた…許嫁です、か…いつの間に…!!」
「まだ許嫁までなってませんよ。まず秀吉様の養女になる事からですからね」
論点のずれた三成の発言に、家臣は葉月のほうを見る。
「あ、えーと、その、はい、すぐではありませんが、こちらに参ります、です…」
おかしな日本語になっているのも気付かず、家臣は驚いた顔のまま、大変だーと奥へ走って行ってしまった。
「えーと、驚いて、行っちゃいました、ね…?」
困ったまま三成に言う葉月。
「そうですね、どうしたのでしょう…?」
三成も困った表情のまま、二人で立ち尽くす。
すると、奥からドタドタと複数の走りよる足音が近寄ってきた。
「三成様!!」
家臣や女中が大量にやってきて、二人の前に居並ぶ。