第74章 報告
富弥の件はこれで片付く。
秀吉が富弥に一人張り付かせると光秀に頼んでくれたが、これなら張り付かせる必要はなさそうだ。
城へ戻り、秀吉に報告すれば終わりだ。
葉月さんを茶屋へ迎えに行く刻限まで、書庫で調べものをしよう…
三成は城へ戻り、秀吉の許へ赴く。
「秀吉様、よろしいですか?」
秀吉は広間の中央で、光秀と話し中だった。
「あ、光秀様もご一緒でしたか。では私は後で…」
「いや良い、どうした?」
秀吉が光秀にちょっと待ってくれ、と頼み、三成を近くに座らせる。
「申し訳ございません、葉月さんに乱暴しそうになったおとこの件です」
「…ああ、ちょうど光秀とそれについて話していたところだ。
人なら、光秀に頼んだぞ」
秀吉は光秀のほうを見、光秀も無言で頷く。
「ああ、大変申し訳ございません、その話しは先程不要となりました」
急いで三成は、富弥を見張る必要がなくなった事を話す。
「おまえ、自分からその富弥というやつと話しをしてきたのか?」
「はい、葉月さんと茶屋に近寄らないようお願いしました。」