第70章 城へ、茶屋へ
「竹様、それでは後程、お願いします」
竹に挨拶をし、葉月と三成は御殿を出る。
「はい、葉月さん、後でね。三成様、いってらっしゃいませ」
「いってきます」
今日の帰りは三成の御殿へ行く事を竹に伝え、二人は秀吉の御殿を出る。
「三成様は戦の時はどういった役目をされるんですか?」
戦の事は何もわからないけれど、知らないままではこの時代は生きていけない。
葉月はまず、三成の役割を知ろうとした。
「私の仕事は主に後方支援ですね」
「後方支援、ですか…えーと例えば作戦を練ったり?ですか?」
「そうですね、作戦立案や兵站の調整…」
「へいたん?」
聞いた事の無い言葉が出てきて頭にハテナマークが浮かぶ。
「戦中の食料ですよ。兵が飢えてはどうにもなりませんからね」
「ああ、兵站というのですね」
「看護はどちらかというと家康様のほうがお詳しいですね。
後、舞様も戦の時は出陣されて、看護兵として働いていらっしゃいます」
「え?女の人も出陣するのですか?」
戦に女性が出兵するとは思っていなかったので、葉月は驚く。