第69章 祝われる
葉月の部屋で今朝も二人で朝餉を摂る。
今日は葉月が朝餉の膳を取りに行くと、女中達が一斉に声を掛けてくれた。
「葉月さん、三成様と恋仲ですって?」
「うらやましい、やっぱり美人はいいなぁ」
「葉月さん、そのうち三成様の御殿に移られるのでしょう?
今のうちにお料理習っておきたいわ」
みんなでおめでとうと祝ってくれた。
「あ、ありがとうございます…」
女中達にお礼を言って、頭を下げる葉月だった。
膳の前に座り、二人で今日も匙を持つ。
「今日も夕餉に合わせて参りますね」
三成の言葉に、昨夜の事を思い出す。
「はい、あ、今日は竹様が茶屋にいらっしゃるのですよね?」
そうですね、と三成は返事をし、自分も茶屋へ寄ると言う。
「葉月さんが帰る頃には暗いですし、竹さんもいらっしゃるから、私も一度茶屋へ行きましょう」
「お城から茶屋にいらして、三成様の御殿から秀吉様の御殿では、お疲れになりませんか?」
葉月は三成を心配する。