第67章 優しくして(R18)
葉月は受け留めた三成のからだを、ぎゅっと抱き締める。
ふわり、と三成のまとう香りが燻る。
「…どうしましたか?」
三成が気だるげな声で問う。
「三成様の香りがします…」
ほわんと笑みを浮かべ、目の前の紫の瞳を覗き込む。
「…こんな時に…まったく」
三成は一度大きく息を吐くと葉月を抱き締め、そのままくるりと体勢を入れ替え、自分が下になる。
「え…」
体勢が一瞬にして変わった葉月は目を丸くした。
「いつまでも葉月さんに、私を抱いていてもらう訳にはならないでしょう?」
そして三成は片手を伸ばし、葉月の顔にぱさりとかかっている髪の毛を耳に掛ける。
「いつも髪の毛はかんざしで留めてますが…下ろしているのも良いですね…」
そのまま葉月の後頭部を自分のほうに寄せ、口付けをする。
「…まだ、夜は長い、です…」
「…?」
「恋仲の二人はまだ愛し合えるという事です…」
三成は更に深い口付けを葉月にし、自分の熱を葉月に注いでいく…