第2章 いきなり対峙
ふと、気が付くと、大木の前で倒れていたらしい。
葉月は、いたたた、と起き上がって周囲を見回す。
『あれ?今さっきと景色が違う?』
倒れるまでは木々の多かった会場への道だった。
しかし、今は、じゃり道で道が出来ているものの、木々のほとんどない開けた場所に、居る。
周りの人々が不思議そうな顔つきで葉月を見ている。
葉月もきょろきょろと不審げに見回す。
何故なら。
周りの人々は着物を身に着けており、誰一人としてデニムやスカート姿の人がいない。
一体どういう事?
「あの…」
声を周囲の人に掛けた瞬間、近くから男の大声で怒鳴る声が聞こえてきた。
「なんだ、このババア、こんなまずいもの食わせやがって!」
「誰がこんなものに銭を払わないといけないんだよ!」
目の前の、古民家風の小さな建物から声がする。
周囲の人の目がそちらを向く。
葉月もその建物へ目を向ける。
するといかにも柄の悪そうな中年の男が出てきて、支払いを、とすがりつく年配の女性を邪険に払いのける。