第65章 真実を秀吉と三成に
秀吉も竹には一目置いているのが、ありありとわかる様子だった。
「そうすると武家の心得は、茶屋のほうが片付かないと動けないか」
「すみません…」
「ああ、謝る必要はない。こっちもすっかり忘れていたからな」
秀吉は笑顔になって葉月を見る。
「それで、葉月からも俺達に話しがあるんだよな?」
「はい、えーと、では話します」
どこから話そうか、と一瞬迷うが、葉月は口を開いた。
「私は、この時代の者ではありません」
「は…?」
秀吉と三成の反応はごく当然のものだった。
「私は500年程後の世から、何かのちからによってこの時代に飛んできました」
「…おまえ、一体何を言っているんだ?」
秀吉が不審な表情で問う。
葉月は当然の反応だと思い、自分のかばんから細かい荷物をどさりと出す。
「これ、見てください。この時代には無い素材や作り、です…」
スマホや手帳にペン、小説、家の鍵、化粧品など、目の前に出されたものは、確かに秀吉や三成が初めて目にするものばかりだ。
鍵を手にした秀吉はひっくり返したり、斜めから見たり、不思議な表情をしていた。