第65章 真実を秀吉と三成に
「秀吉様にお任せすれば大丈夫です。
心配しないで準備をして、私のところに来てください」
「おっと、そう簡単に輿入れは出来ないぞ」
「え…?」
「葉月は武士の娘ではないだろう?
武家の心得が全くないところへ、輿入れさせる訳にはいかない。
だから、これから竹から心得や礼儀作法を学んで、豊臣の姫としてふさわしい格式を持って、三成のところへ嫁がせる」
「え…そうすると、茶屋のお手伝いが…」
三成と秀吉は顔を見合わせる。
茶屋の事をすっかり忘れていた。
「参ったな、茶屋を手伝っている事を忘れていた」
「そうでしたね…そちらへも話しをしないとなりませんね」
「今日はおやすみでしたので…明日からまた朝から茶屋へ行くんですが…」
秀吉がとりあえず、と言う。
「まぁ茶屋がまず優先だな。
葉月の事を話しに行かないとならないから、明日、店仕舞いの頃に、竹を茶屋にやるから茶屋の女将と話しをさせてくれ」
「竹様、大活躍なんですねぇ」
感心したように葉月は言う。
「おう、あれがいるから、この御殿は回っていると言って過言ではないな」